紫外線殺菌灯 殺菌作用は波長253.7nm付近が最も強く、その殺菌力は直射日光にも含まれている波長350nmの紫外線の約1,600倍にも達します。

殺菌線によって細菌が死滅するメカニズムはまだ十分に明らかになっていませんが、おおよそ次のように考えられています。殺菌作用の波長特性は生物に含まれる核酸物質の紫外線吸収特性とよく似た特性を示していること、ならびに細菌の種類が異なってもあまり大きな波長特性の違いがないのは、細菌の原形質である核酸に作用しているからだと考えれます。細胞内の核酸に紫外線が照射され吸収されると、核酸が化学変化を起こし、新陳代謝が障害され、まず増殖能力を失います。更に照射量 が多くなると、原形質が破壊されて、死滅するとされています。このような紫外線の照射と細菌の変質破壊についての詳しい研究もなされています。紫外線による殺菌は、菌の種類や生息条件によって効果 は異なりますが、全ての菌種に対し有効で、かつ対象となる菌に耐性を与えることはありません。紫外線の殺気力は、菌種、温度、湿度、その他の条件によって異なりますが、夫々の菌についての殺菌力は、殺菌線放射量 即ち放射照度(W/ ㎡)×照射時間(秒)によって表すことができます。従って、一般 的に照射時間を2倍にすれば放射照度を1/2にしても同じ殺菌効果が得られます。

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100-150W紫外線除菌器 UV殺菌灯 UV除菌ランプ UV殺菌滅菌ライト


この放射照度は、殺菌灯の大きさ、照射器具の型、照射距離によって変わります。

殺菌力の実例として、15ワット殺菌灯器具を用いて行われた厚生省、国立衛生試験所の試験結果 を表1に示します。なお本表は1,000時間使用後のランプにより測定したものです。この殺菌灯に対比するものとして、太陽光線の殺菌力をあげると、Lukieshの発表している実験によれば盛夏、晴天、正午の太陽光でシャーレ中の大腸菌浮遊液を直射したところ、図1に示すような結果を得ており、例えば99.99%の殺菌に64分間を要しています。


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これを表1の場合と比較すると、同じ大腸菌に対して99.99%以上の殺菌率を得るために殺菌灯は60秒(1分)を要するに過ぎないことがわかります。図2に示すのは、空気中の大腸菌に対する殺菌線量 と殺菌率の関係です。図2により、標準状態の空気中(20℃、RH:35%)の大腸菌は6.9J/ ㎡の殺菌線量 で90%の殺菌率が得られることが判ります。
 表2にこの値を示します。 殺菌線量(J/ ㎡)は殺菌線照度と照射時間の積で与えられますので、殺菌線量 (J/ ㎡)、殺菌線照度(W/ ㎡)、照射時間(sec)との関係は次のようになります。

 殺菌線量(J/ ㎡)=殺菌線照度(W/ ㎡)×照射時間(sec)
 殺菌線照度(W/ ㎡)=殺菌線量 (J/ ㎡)÷照射時間(sec)
 照射時間(sec)=殺菌線量(J/ ㎡)÷殺菌線照度(W/ ㎡)