近年各種の歯質接着性レジン系根管充填材が開発されているが,再根管治療時にはこれらの除去が大きな問題となりうる.一方,ニッケルチタン(NiTi)ロータリーファイルはガッタパーチャ除去に有用と考えられているものの,これらのレジン系根管充填材除去能については限られた報告がみられるのみである.そこで本研究では,NiTiロータリーファイルの有用性を,除去所要時間,根管充填材残存量および偶発事故の頻度から評価した.固形根管治療器材として,Resilon(RE)および06もしくは04テーパーのガッタパーチャポイント(それぞれGP,04GP)を,またシーラーとしてEpiphany(EP),SuperBondシーラー(SB)およびCanals N(CA)を実験に供した.

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透明レジン製規格根管模型(湾曲30度)96個を#25/06テーパーまで形成後,RE+EP,RE+SB,GP+SB,04GP+SB,GP+CA,04GP+CAの6群(各n=16)に分け,おのおの単ポイント根管充填を行った.これらをさらに各2群(n=8)に分け,それぞれProTaper Retreatment File(以下,ProTaper)もしくはK3を用いたクラウンダウン法により根管充填材の除去を行った.除去所要時間を計測するとともに,除去後の根管壁をデジタル画像化し,根尖より垂直方向に0〜2,2〜4,4〜6mmにおける根管充填材の残存量を5段階のスコアで評価した.また,ファイル破折およびレッジ形成の頻度を記録した.除去所要時間はすべての群でProTaperがK3より有意に短時間であった.また,PTを用いた場合は04GP+CA群,RE+SB群が,またK3ではGP+SB群がRE+EP群と比較して有意に短時間で除去された(分散分析およびFisher's PLSD test,p<0.05).根管充填材残存量については,根尖から2〜4mmもしくは4〜6mmの位置で,GP+CA群が一部の他群と比較して有意に多量であった(Steel Dwass検定,p<0.05).ファイル破折,レッジ形成は各3例に生じた.以上より,ProTaper Retreatment FileおよびK3は,レジン系根管充填材除去に適用可能であることが示唆されたが,その安全性についてはさらなる検討が必要と考えられる.(ニッケルチタンファイル 歯科