2019年08月

超音波洗浄の原理
超音波洗浄の原理としては、全てが解明さているわけではありません。
現在、一般的に言われている洗浄の現象の一つを紹介いたします。

液体中に超音波の振動が伝わると、振動させている超音波の周波数の波が発生します。
液体中に発生した超音波の音の波は、一瞬の出来事ですが圧縮と膨張を繰り返しながら進みます。
この圧縮と膨張の現象が、水中に含まれる気体成分(酸素や窒素、二酸化炭素など)に影響を与えます。


人手によって除去できない微細な汚れや、複雑な構造の内部の汚れを取り除きます。
液体へ浸漬することにより洗浄物の細部まで洗浄が可能なため、使いやすく、幅広い分野で使用されています。
汚れの種類に応じて適切な洗浄液を選定し、超音波の物理的洗浄作用と、洗浄液の化学的溶解作用を組み合わせ、洗浄効果を最大限引き上げて洗浄することができます。
超音波洗浄の特性
図1は振動板に対し垂直に立てたアルミ箔による洗浄パターンを示しています。

白い部分は、超音波が最も強く当たり、アルミ箔を侵食している部分です。
但し、図2の場合は黒い部分でも超音波によるダメージが伝わっており、白く侵食されている部分や凹みのある部分も多く見られます。図1の場合は、アルミ箔の黒い部分へ超音波の影響がほとんど出ませんので、入れた際のアルミ箔の状態のままです。

図1のような縞模様の洗浄ムラを解消するため、弊社独自の独立ポジション振動方式により、図2のように定在波による洗浄ムラを少なくしています。


当クリニックでは、お口に直接触れる器材は、すべて滅菌しております。
ハンドピース類(タービン歯科・歯科用エンジン)・ドリル(ダイヤモンドバー)・歯石除去用チップは、薬液消毒ではなく下記のようにすべて滅菌したもののみを使用しております。
また、滅菌できない器材に関しては、ディスポ(使い捨て)の物を使用しております。

当クリニックのハンドピースの使用から滅菌まで手順

滅菌済みタービン

各ユニットに、滅菌済みタービン(左)と歯科用エンジン(右)をすぐに使用できる状態で、常時数十本準備しています。

準備

各ユニットのワークテーブルに、滅菌済みドリルセットと歯石除去用チップをすぐに使用できる状態で、常時数セット準備しています。

 
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滅菌済みタービン

歯を削る直前に、滅菌済みタービンや歯科用エンジンを取り出します。

 
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準備

滅菌バックを開封します。

 
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滅菌済みタービン

左から1番目のホースにタービン、2番目のホースに歯科用エンジンを取り付けます。

※通常、滅菌済みのハンドピースを使用している医療機関では、このように使用直前までハンドピースは、ホースには取り付けられておりません。

 
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滅菌済みタービン

ホースにハンドピースを取り付けます。
(写真は、タービン取り付け時)

 
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準備

ユニットのワークテーブルに準備している滅菌済みドリルセットを取り出します。

 
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滅菌済みタービン

滅菌済みタービンに滅菌済みドリル(歯科用切削バー)を取り付け、歯を削ります。

 
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準備

完全に衛生的な状態で歯を削ります。
また、口腔外歯科診療用バキュームの吸引により、切削時の粉塵から患者様を守ります。

 
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滅菌済みタービン

使用後は、ホースからハンドピースを外します。この状態にしてから、次の診察の準備を行います。

 

使用後ハンドピースの滅菌方法

滅菌済みタービン

使用後のハンドピースは、すべてハンドピース用自動洗浄注油器で、まずオイル洗浄します。

 
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滅菌済みタービン

オイル洗浄後、ハンドピースを再び滅菌バックに入れ、オートクレーブにかけて滅菌します。

 
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滅菌済みタービン
 

使用後ドリルの滅菌方法

準備

使用済みドリルは、超音波洗浄器にかけて洗浄します。洗浄後のドリルは、専用スタンドに戻して、ドリルセットにしておきます。

 
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準備

ドリルセットごとオードクレーブにかけて滅菌します。

 
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準備
 
 

滅菌後は、次の使用のために保管し、準備しておきます。

 

このように当クリニックではハンドピースの使用ごとに、この作業を繰り返し行っております。ハンドピースを繰り返し滅菌すると、器材の寿命も早まり、早期に買い替えが必要になります。また、滅菌器材が不足しないように多数のハンドピース類・ドリル類・オートクレーブを用意しております。
非常に高額な器材ですが、衛生的な歯科治療を行う上では、当然必要なことです。

https://townnote.net/ctl/test/

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1972503958&owner_id=67095322




乳歯をできるだけ残したいとの要望が高まっている現代、乳歯を保存することも強く希望する保護者は多い。乳歯は生理的に歯根吸収が進行して脱落するが、または交換期まで保存されてから抜去されるためか、歯根が長く残存した抜去乳歯を目にする機会は減少した。このことは、従来抜去乳歯を臨床研修に用いてきた、乳歯の歯内療法教育を困難にしている。

一方、既存の歯科実習用模型は、完成永久歯を模したもので、小児の歯の歯内療法実習に適した模型は未だない。また、小児歯科領域では、歯根吸収のわずかな乳歯や根尖が開大した幼若永久歯の解剖的形態を3次元的に理解し、これらを用いる治療法の実習は、小児歯科模型の機能・疾患・治療の教育研究にとって重要である。そこで演者らは、小児の天然歯を精密に再現した模型を製作することを目的に、天然歯のエックス線写真情報から、歯の構造を可視化し、これを観察するための画像や人工歯の作成へと進み、この人工歯を観察したのち、これを用いて根管治療実習を行い、その教材としての意義を検討したので報告する。

Anatomical-Model-1

資料ならびに方法
1.材料と機器
抜去歯;ヒト乳歯(歯根吸収がほとんどないもの)ならびに歯根未完成永久歯
データ収集;産業用マイクロフォーカスエックス線CT(μCT);SMX100CT®
(島津製作所)
デスクトップパソコン;Compaq 8200 Elite USDT PC®
(Hewlett-Packard Company)
3次元画像処理ソフトウェア; INTAGE Volume Editor®
(サイバネットシステム社)
積層造形システム(3Dプリンター);ProJet HD 3000®
(スリーディー・システムズ・ジャパン社)
造形材料;
紫外線硬化アクリル樹脂(デンタル模型

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